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ジャワの斜めろくろ村支援

斜めろくろ技法継承活動

斜めろくろとは?

世界中に陶芸のない国は無いけれども、ロクロの盤面が60度も傾いて回転しているロクロは、現在インドネシアのジャワ島数箇所と、バリ島だけではないかと思います。

このロクロの意義は、ロクロが斜めに傾いて回っていると言う珍しさだけではなく、巻きスカートをはく風俗文化を持つ地域においてのみ興った文化財である点にあります。かつてアフリカをはじめ、東南アジアのサロン着用圏で広く普及していたと考えられます。タイ東北部にも少なくとも数十年前まではあったようですが、今は見つけることができません。

技術的に斜めロクロの重要な点は、ロクロの軸を斜めにすることで、ロクロの軸がぶれないよう簡単に固定できることです。ベアリングの無い時代、ロクロの盤面を水平に、ぶれることなく高速回転させることは大変困難でした。木の股を地面にしっかりと打ち込み、底にロクロの軸を持たせかけることで、簡単に安定して高速回転が可能です。高速回転ロクロ一般の原点と考えられます。

斜めロクロ

事業サイト

斜めロクロを使う土器作りの中心地は、中部ジャワ州、ジョクジャカルタとソロの間にあるクラテン県の南部、パグルジュラン村で、ジョクジャカルタ空港から40分のところにある人口600人あまりの小さな部落です。一般的にはバヤットのパグルジュランと呼ばれています。

現状

作られているものは、水差しや貯金壷、出産時に胎盤などを入れて門口に埋める小さな壷(クンディル)、薬草煎じの器(クリウク)など、昔ながらの伝統的な土器です。値段も昔のままの信じられない安さです。

今まで行政も誰も、この地方の貴重な文化財に気づかず、産業としても規模が小さく、手を差し伸べることが無かったため、新商品の開発、販売ルートの開拓などが全くありませんでした。それ故、現代生活のニーズに応える品ものが作られず、急激な社会変革に押し流され、斜めロクロの村むらはどんどん消えてきました。

しかし1999年から、パグルジュランの斜めロクロは、NGO「斜めろくろの文化を守る会」代表の川崎千足らがプロジェクトを組織し、技術の継承に勤めた結果、現在斜めロクロ職人が130人あまりにもなりました。以前から、土器作りはどこでも女性の仕事とされてきました。パグルジュランでは今でも斜めロクロ職人は女性だけです。

目的

NGO「斜めろくろの文化を守る会」プロジェクトは、1999年からパグルジュランを中心とした、バヤットのパセバン村とムリカン村の斜めろくろ技法の継承と陶器産業振興、伝統文化と福祉に寄与することを目的に活動しています。

事業内容

NGO「斜めろくろの文化を守る会」では、現在、日本政府の草の根無償資金協力を得て、パグルジュラン「斜めろくろ産業振興センター」の建設に努めています。2005年3月完成の予定です。今後はこのセンターを軸に、京都精華大学が中心となり、国際的な産官学によるプロジェクトを組織し、JICAの支援も得ながら、日本からのヴォランティアも送り込み、陶芸技術の指導や商品開発に協力し、「斜めろくろ技法」の継承に努めていきます。

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