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雲南の民族文化生態村との連携

2003年度の活動

私どもの友人で雲南大学人類学系教授の尹紹亭さんが、雲南の少数民族文化を創造的に伝承する運動を行っています。2004年2月、五つの村の内、三つの村を訪問しました。文山州仙人洞(イ族)、玉渓新平県南カン村(花腰タイ族)、騰沖県和順郷(漢族)です。1998年以来、次のような活動が行われました。

 1 生活環境の改善: 伝統的な家と村の刷新、トイレ改築、バイオガス装置の各戸設置
 2 文化伝習館の建設
 3 伝統の創造的復活: 歌舞、紡織や刺繍のコンテスト、伝統宗教儀式の再生と神々の雄渾な石像製作
 4 植樹、植竹、水田改良、新作物の導入

虎のカミ石像
(仙人洞のイ族が製作した虎のカミ石像)

詳しくはもやいネットで配信済みです。

尹さんたちは、民族文化もすべての存在同様、変化すると考えますが、今、起こっているような、観光客誘致を目当てに少数民族を売り物にしたフットライトの当て方は、商売用のショウケースに入れた贋物つくり、博物館で少数民族の文物を展示するだけのやり方も創造的な動きにはつながらないと警告します。そうではなくて、彼らは村人と徹底的な討論を行い、そのじはつてきな発想を引き出すことを始めました。伝統を生かし、発展に有効な課題を洗い出し、実施は村人の主体性に任せる方法です。その結果、村の住環境や経済の進展に目に見える効果が現れ、地域発展の新たなあり方として、中国で注目を集めています。
連携・支援の方法は模索中です。私どもの考え方と共通している点は、伝統文化が自然環境と共生的である性格に光を当て、生かすことです。その方向の本を共同執筆することも考えられますが、それだけでは博物館と同じで、現場で実践する面白さが出てきません。民族文化生態村は、他の地域とも共通するテーマなので、日本でも東南アジアでも、共通の土俵作りを考えたいと思っています。

2004年度の活動

尹紹亭グループとの連携や支援の方法を模索します。とりあえずは、現場を知ってもらうことがよいので、民族文化生態村に大理、麗江をプラスしたスタディ・ツアーを予定しています。

紅河州の元陽に京大大学院生の安達真平が長期留学しています。ここは棚田で有名な村で、県の旅遊局が民俗村を建設し、観光開発を先行させています。安達真平は棚田を研究しているのですが、地場産業の芽も探しています。棚田に飼われている魚や、独特の臭豆腐の商品化、それに夜学での識字学校開設など、地道な活動を始める計画です。

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