第26回もやいフォーラム
『地震と断層』
日時: 2013年5月19日(日)12:00~
場所: 大津市南比良
演題: 『地震と断層』
報告者: 西村進 (NPO法人シンクタンク京都自然史研究所理事長)
西村進先生は元京大理学部地質の教授で、日本アジア太平洋の地質構造に詳しく、現在も幅広く調査を続けておられ、福井の原発の立地調査も手掛けておられます。地震運動活発化の時代、気象庁やマスコミの報道は隔靴掻痒で、庶民の不安を軽減するにはなんとも不十分です。阪神大地震、東北日本大地震はどんな地震で、日本列島の構造にどんな影響を及ぼしたのか、ゆっくり滑り地震とはどんな考え方か、井戸水位の変動や重力異常の変化で地震予知ができたのではないか、活断層とは何か、どう見つけるのか、福島原発の大災害は何故起きたのか、などお話頂きます。
知識を力に大地震への心の準備をするのにうってつけのお話を頂けると思います。どうかこぞってお越しください。
報 告
西村進先生の『地震と断層』の話、科学的大づかみで全体像に迫る精神が明瞭に出ていました。
科学や技術に関する日本の官庁やマスコミの情報はこの科学的大づかみがない。東電の原発事故の発表はその典型ですが、原発がどんな状況にあるのかみんなの心配には答えずに温度何度、圧力なんぼ、水位何メートル、そして心配はないという気休め。これは悪しきデータ主義で無知を隠す手立ての典型。スピーディによる放射能拡散予測を公表しなかったことは、隠す習性が避難者の懸念と潜在的被害を無限に拡大することとなった。
津波被害の頻発してきた日本で地下に電源室を置く、電源はサイクル数が別、イソコン(緊急時復水システム)の弁が空いていると思っていた原発所長、こうしたことは使い方を誤れば核兵器になる原発という装置をマニュアルだけで動かせるという思い込みの破綻です。
日本人は科学技術を進める精神を身に付け直す挑戦が必要という訴えでした。
古川久雄