コーヒーで東ティモールと豊かにつながるプロジェクト
東チモールのコーヒー・フェアトレード
4世紀半にわたるポルトガルの植民地支配。その後4半世紀のインドネシアによる武力併合をへて、2002年5月、東チモールは独立した。今世紀最初に誕生したこの小さな国は、同時に世界最貧国の一つ。山がちな隆起さんご礁の島、農業適地は少なく、食料の自給もままならない。
そのなかで唯一の商品がコーヒー。1500メートルを超えるエルメラの高地では、栽培の難しい高品質アラビカ種のコーヒーが、ネムノキとモクマオウ庇陰樹の下で、ゆっくりと育つ。農薬も化学肥料もつかわない。限りなく自然に近いコーヒー。
(背の高いコーヒーの木を引っ張ったり、梯子にのぼり収穫)
東チモールのコーヒー園は、むき出しの赤土が広がるブラジルなどとは違い、庇陰樹の林を作る緑化でもある。
コーヒー豆は高品質だが、処理装置を持たない農民は、独占的なアメリカ資本の会社に安値で買い叩かれる。自力で商品まで精製する技術と組織つくりに協力することがこの事業の狙い。エルメラコーヒーとして日本で頒布し、資金を現地へ還元する作業を始めた。