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中国夜学校 開設支援プロジェクト

雲南省の村で夜学校を開校(中国)

経済発展著しい中国にあって、僻地の少数民族が住む山村にはそれに取り残されたような村が多数ある。私の通う雲南省元陽県のサンラオチン村もその一つである。観光地として脚光を浴びつつある風光明媚な棚田地域にありながらも、農業だけでは暮らしていけず多くの村人が都市や炭鉱での出稼ぎ労働に従事している。しかし、共通語である漢語が上手く話せないなどの理由で、安定した職を得ることが難しい。特に問題なのは教育環境である。出稼ぎ先の不安定な生活では子どもを学校に入れさせることが難しいため、子どもの多くは村に残り学校に通っているが、経済的理由によって小学校を途中でやめるものが多い。女の子は、家畜の世話や薪集めのために、学校へ通えない子も多くいる。また、これには戸籍制度や少数民族を考慮していない画一的な教育制度等の国の政策も関係している。

そこで私は、村の人たちと相談し、要望の多かった夜学校を村で開校することにした。経済的理由から高校進学をあきらめた1人の村の若者に先生になってもらい、中国語(漢語)の会話と読み書き、算数や生活上の基礎知識などを教えている。子どもだけでなく大人も生徒として授業に参加する。この学校の特徴の一つは、夜に開校するため、昼間は農作業など家の手伝いをする村人でも参加できることである。二つ目は、教える内容が、村での生活や出稼ぎ先などですぐに役に立つ実用的な知識であることである。

まだまだ課題はあるものの、夜学校に対する村人の評判は非常によく、先生の家の前庭に作られた仮設の教室には、毎晩席に座りきれない30人以上の生徒がやって来る。

文責 遅沢克也 愛媛大学


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